偶然の確率

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ミキは石に話しかけてるから俺には気づかなかった。だからすぐに捕まえられた……けど何で石に話しかけてるのか気になって気になってしょうがなくってさ、何をしてるのか見る事にしたんだ。 「大丈夫?」 石に話しかけても返事しないと思ったんだけど…… 「ニュ……」 微かな……本当に消えそうな鳴き声がしたんだ。そいで俺は何がどうなってるのか気になって話しかける事にしたんだ。 「ちょっといいか?」 「ひゃあ!?」 俺が話しかけた瞬間にベタなリアクションで驚き、そして恐る恐る俺を見るミキ、どうやら覚えていたみたいだな。 「あなたは……」 「あぁ、俺はダイキって言うんだ」 一応一方的な自己紹介を済ませたところで、本題に入る。 「さっきから石に話しかけてるけどさ、どうしたんだ?」 その話を切り出すと、急に表情が暗くなる。話したらまずかったか? 「それが……」 と、一呼吸置いてから、ミキはゆっくりと喋る。 「私の大切なポケモンがこの石に閉じ込められてしまったんです」 まぁ分かりにくいと思うから説明するとだな…… この地域は山岳地帯になっていて岩とかそういうのが多い地域なんだ。当然、岩が多いと落石も多い。しかもミキのポケモンが閉じ込められた場所は山と山の間の道で、落石事故が多発する危険地帯なんだ。 「何でこんな……」 「……私が悪いんです」 「は?」 「私はランジー社の一人娘なんです」 「ランジー社!?」 俺は驚いたね、今年一番……いや二番目くらいかな?まぁいいや。 ランジー社っていうのはとある大企業のこと。主にトレーナーグッズを手掛ける会社なんだよ。まぁ、カントー地方のシルフカンパニーみたいな? 「だけど私……家出したんです」 「家出?」 「ちょっと……お父様とお母様と喧嘩をしまして……」 この後、ミキはその詳細を話してくれた。
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