偶然の確率

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「かなり衰弱が激しいですね……」 ポケモンセンターに連れ込まれたニューラは、早急な治療が必要なほど衰弱しきっていた。 「ですが1日安静にすれば良くなりますよ」 よかった……どうやら助かるっぽいな。ミキは安心からか座り込んでしまっていた。 「よかったな!」 「はい……」 直後、腹の虫が鳴く音が聞こえた。ミキは顔を真っ赤にしている。 「飯でも食う?」 「えっ、ですが……私はあなたのお財布を盗ったんですよ?」 「ポケモンを助ける為にやった事だろ?ならいいって事だよ」 もし俺も同じ状況だったら、そういう事をしただろうし…… 「ですが……」 渋るミキの腹の虫がまた鳴いた。ミキは顔を真っ赤に染め 「じゃあ……お言葉に甘えます……ね?」 と、呟いた。 「そういや名前聞いてなかったっけな」 「そうでしたね。私はミキと申します。あなたは?」 「俺?俺はダイキって言うんだ」 あれ?さっき自己紹介したよな?まぁどさくさに紛れてだから聞こえなかっただろうな 「あの……重ね重ね本当にありがとうございます」 ミキは深く頭を下げる。こう直球でお礼を言われるとなんか照れるよな 「いやぁ……いいっていいって!困ってる人を放って置けないんだよ」 「優しい方なんですね」 とか言ってニッコリと俺の方を見てくるミキ。なんか……反則だろ 「でもさ、これから先どうすんの?先立つ物が無いと辛くないか?」 「そう……ですね」 ミキは一旦考えるような仕草をするも、 「ま、まぁ何とかなると思いますよ?」 すぐに開き直ってしまった。 「ダメだこりゃ……」 「本当に……どうしましょうか……」 「あのさ……」 「どうしました?」 「いや、何でもないよ」 と、口を開きかけ、止める。流石にこういうのはダメだよな……
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