偶然の確率

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「ひっかかりやがった!」 多分この時の俺は相当笑顔だったはずだ…… 「てめぇ……何しやがった!」 「俺は何もしてねぇよ。ただ、お前のポケモンが罠にかかっただけさ」 「罠だと?」 2匹はモウカザルの掘った穴の中にいた。毒が回ったからか、2匹は抜け出せないみたいだ。 「さっきの連続蜘蛛の巣、あれは落とし穴を作る為にわざと狙いを外したのさ!」 「小癪な……オコリザル!炎のパンチ!」 オコリザルは拳を構えるも、毒であえなくダウンしてしまう。 「肉を切らせて骨を裁つ作戦が裏目に出たか……仕方無い、戻れ!」 巨漢は観念したかのようにボールに2匹を戻す。 「これ以上はポケモン達が危ない。ここは俺が降参してやる」 と言うと、巨漢はポケモンセンターへ向かおうと踵を返した。 「あ、待てよ!」 俺は慌てて巨漢に毒消しを2つ渡す。 「一応毒だけは直しとけって」 巨漢はしばらく毒消しを見つめて、「ありがとよ」と呟き、毒消しを使ってから急いでポケモンセンターに向かった。 「あいつ……根はいいやつかもな」 俺は独り言のようにそっと呟いて、ミキの元に向かった。 「大丈夫でしたか?」 「あぁ、意外といいやつだった」 ミキは信じられないという顔をしている。 「あのさ、さっき言いかけた事だけど……」 今なら大丈夫だろうと、俺はとある解決策を提案する。無論、ミキのこれからについてだ。 「なんでしょう?」 「俺と……旅をしないか?そうすれば、金銭面はなんとかなる」 「えっ……」 俺とミキは互いに固まる。 「あの……迷惑じゃないですか?」 「旅は一人より二人の方が楽しいだろ?」 「でも……あの……」 少し迷ったみたいだが、遂には決心したようで 「不束者ですが、これからよろしくお願いします」 俺と一緒に旅をする事になった。 「……嘘くさっ」 結局、サヤは話を半分以上流し聞きしていて、レンに至っては完全に眠っていた。 「ミキちゃん、こいつの話は本当?」 「えっ?あぁ、本当……ですよ。大体は」 「大体ってなんだよ!全部本当なんだっつーの!」 何はともあれ、これから賑やかな旅路になりそうである。 「綺麗にまとめるなぁぁ!!」
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