クリスタルレイルSOS

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「コリンク!充電!」 「リー……」 コリンクの体が電力を蓄え、ほのかに光り出す。 「次の技に託す……というわけね。ニャルマー、乱れ引っ掻き!」 「ニャー!」 ニャルマーは自身の鋭利な爪で無作為にコリンクを切り裂こうとするも、元々命中率が低い技、そう簡単には当たらない。 「コリンク!スパークよ!」 「リーッ!」 乱れ引っ掻きを繰り出そうと接近してきたニャルマーに、カウンターの如くスパークを叩き込む。充電されていたのも相まって、ニャルマーは崩れ落ちた。 「ニャルマー、戻りなさい」 ジャンヌは顔色一つ変えずにニャルマーをボールに戻す。 「よくやったわコリンク!」 「リーッ!」 嬉しそうに返事をするコリンクの体が、白く光った。 「おっ!」 「まぁ!」 「これってもしかして……」 光が収まると、コリンクは一回り大きくなり、頭には鬣が生え、その顔は雄々しくなっていた。 「コリンクからルクシオになったんだ!」 「ルクシオ……」 「ガウッ!ガウッ!」 ルクシオは一段と強くなり、嬉しさから短く吠えた。 「おめでとうルクシオ!」 「ガウッ!」 と、不意に誰かが拍手をし出す。見ると拍手をしていたのはジャンヌだった。 「やはり進化はいつ見ても感動的ね……」 「……本当に珍しい人」 とその時だった。また列車が揺れ、再び列車が動き出した。 「どうやら調査は終了したようね。さて、あとはあなたたち……」 と、あと2つあるモンスターボールから1つを掴み、投げつける。 「ベロリンガ!ルクシオのトレーナーを捕らえなさい!」 ベロリンガは出現と同時に長い舌を伸ばし、その舌はサヤを標的に定めている。 「へっ?キャア!!」 ベロリンガの長い舌に捕らわれ、身動きを封じられる! 「き、汚ぇぞ!」 「何でこんな事を!」 「そうね……もうすぐ部下が来るの、少しは悪役っぽいところを見せないと示しがつかないでしょ?大丈夫よ、部下が去ったらこの子は解放するから」 かなり無茶苦茶だが、拒否したり下手に動けば何をされるか分からないこの状況で、三人は身動きを封じられていた。
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