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木々の間から木漏れ日が差し込み、比較的明るい森の中を、サヤとレンは進んでいるが……
「あーっ!コリンク!」
サヤはコリンクを見つけ、モンスターボールを構える
「いけー!モンスターボール!」
サヤが投げたモンスターボールは、綺麗な弧を描くものの、コリンクのいる位置とは全く見当違いな場所に落ち、コリンクは危険を察したのか、逃げ出してしまった
「あぁー!待ちなさいよ!」
コリンクに逃げられ、地団駄を踏むサヤ、そして呆れるレン
(これで30回目の失敗か……いい加減捕まえ方くらい覚えろって……)
「レーンー!」
サヤがレンに近づいてくる
「なんだ……」
「コリンク捕まえて!お願い!ね?」
あのなぁ……と、レンは呆れたように額を押さえる
「さっき教えただろ。体力を減らして、動けないところを狙って投げろって……」
「だって可哀想だもん……それに、弱っててもボールが当たらないんだよー!」
「それはどうしようもないだろ……」
「だからお願い!この通り!」
そう言うとサヤは、土下座までして頼んできた
「……一回だけだぞ」
直後、サヤの顔が一気に明るくなる
「さっすがレン!頼りになる~!男前~!」
「ハァ……」
こんな様子のサヤを見て、レンは思った
(こいつ……トレーナーとしての才能無いんじゃないのか?)
そんな事を考えているとはつゆも知らず、サヤはレンを引っ張って森の奥に行こうとしている
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