狐の恋は燃える赤

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「鍵は完璧に直ってるみたいだな」 温泉から出て合流した四人は部屋に戻った。 部屋に入ると、すぐに夕食の準備が整ったとの連絡が入り、夕食をとる事にした。だが、ミキが頑なにサヤの隣に座るのを拒んでいる気がする。 「どうした?」 いい加減に気付いたのだろう。ダイキがミキに声をかける。 「あの……サヤさんが……怖い……です……」 小声で、さらに少し震えたような声でそう呟くミキは、見た目からもかなり怯えていた。 「おいサヤ!一体何したんだよ!」 「何って……スキンシップよスキンシップ」 「ただのスキンシップでこんなに怯えるわけねぇだろうが!ミキ、一体何されたんだよ?」 「あの……胸を……揉まれました……」 レンとダイキの動きが止まり、哀れむような目でサヤを見る。 「そっか……なんか色々と……ごめん」 「えっ、何?どうしたの急に……」 「まぁ……大丈夫だ。そういう世界もある」 どうやら誤解されているようだと気付いたサヤは、慌てて弁解を試みるも、既に後の祭り、ただ墓穴を掘るだけとなった。 修学旅行などの消灯時間を守る生徒を見たことがないのは作者だけであろうか?とにかく、宿泊というのはテンションが上がって眠れなくなるものである。 ただ、今回はクリスタルレイルの件もあり、早めに床についていた。 「……サヤ」 「……」 「……起きてるだろ」 「……何」 やはり先程のあれが尾を引いているのか、なかなかサヤの機嫌は直らない。 「まだ……気にしてるのか?」 「当たり前でしょ?あんな言われ方したら……それは、私もちょっとふざけすぎたって思うけどさ……」 やはり少しは反省しているのであろう。言葉は濁らせながらも、自分の非は認めていた。 「分かった。ダイキには俺が言っておく。だからもう、その事は忘れろ」 「……うん」 やれやれ……とレンは嘆息し、布団を被る。 「レン……」 「ん?」 「……ありがと」 「……どういたしまして」 サヤが寝たのを確認して、レンも眠りについた。
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