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「あの~すいません……」
サヤはその少年に話しかける
「なに?」
「ポケモンバトル……いいかな?」
少年はサヤをまじまじと見つめる
「……何かな?」
「お前弱そうだな」
「なっ!?」
サヤは確かに、新米トレーナーだが、こんな子どもにバカにされるとは思ってもいなかったので、かなり頭にきたのか、笑顔だったのが、一気に不機嫌になった
「弱そうだって決めつける前に、君は年上に対する態度を学ぶべきね……」
「トレーナーに年なんて関係ねーよ!」
今ので我慢が限界に達したサヤは、少年に指を突き付ける
「こうなりゃ実力行使!私は弱くないって事を証明してあげるわ!」
サヤはセントラルシティに来るまでの道中、チコリータとコリンクを実戦慣れさせていたし、レンからも実戦でのテクニックを習っているので、負ける気はしなかった
「使用ポケモンは2体!いいな!」
「望むところよ!」
「いっけーオニスズメ!」
「相手はオニスズメ……ならお願いコリンク!」
少年が出したオニスズメは飛行タイプ、コリンクは電気タイプ。タイプではコリンクが有利だ
「タイプがどうしたぁ!オニスズメ、泥かけだ!」
オニスズメは羽で泥をすくい、それをコリンクに投げつけた
「コリンク!交わしてスパーク!」
コリンクは泥を後ろ飛びに交わすと、今度は電気を纏ってオニスズメに突っ込んだ
「オニスズメ!」
スパークで接近してくるコリンクに、オニスズメはもう一度泥を投げつける。技の最中だった為か、コリンクは泥を浴びてしまった
「コリンク!」
サヤは心配した様子でコリンクを呼ぶが、幸い大したダメージは無いようで、サヤは胸を撫で下ろした
「案外やるじゃん」
少年も、面白いといった様子でサヤに話しかける。
「君もね!」
サヤも楽しんでいるだろう。口元が笑い、目は真剣そのものだ
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