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「ハァ……」
湯船に浸かりながら、サヤはゆっくりと体を伸ばした。
初めてのポケモンバトルの疲れもあると考え、コリンクとチコリータも湯船に入れてあげた
「気持ちいいね~」
「チコ~」
「リ~」
二匹は頭にタオルを乗せ、目を細めてまったりとしている
「さてと、コリンク、チコリータ、体洗わなきゃね」
サヤは湯船からコリンクを出し、シャンプーを付ける。と、チコリータが不満そうな顔でサヤを見た
「順番だからねチコリータ。ちょっと待ってて」
チコリータが頷いたのを確認して、コリンクを洗う。コリンクの大きい耳に、シャンプーが入らないよう注意しながら。
一通りシャンプーを終えると、次はシャワーでコリンクについたシャンプーを流す。冷水だと気付かないまま……
「リーッ!?」
突然、冷水が降りかかり、コリンクは驚いたように悲鳴をあげる。と同時に、体内で生成された電気が一気に放出される
「へっ?ちょっ……キャアァァァァァ!!」
サヤは叫び声をあげ、気を失ってしまった
「……風呂場が騒がしいな」
レンは読んでいた雑誌を閉じ、風呂場の様子を見に行く。サヤが倒れているとは微塵も知らずに……
しばらく経ち、サヤは目を覚ました。風呂場にいたはずのサヤは、いつの間にかベッドに寝かされていた
「あ……れ……?」
「ようやく起きたか……」
状況が読み込めてないサヤに、レンが話しかける
「私……確かお風呂場で倒れて……」
「コリンクの放電でな……まったく、電気タイプのポケモンと風呂に入るなんてどうかしてる……」
「なっ!?分かんなかったんだから仕方ないじゃない!!」
サヤはいきり立ってベッドから起き上がる。すると、レンが不自然に目をそらした
「……どうしたの?」
「自分の体をよく見てみろ」
言われて、自分の体を見たサヤは、顔を熟れたトマトのように真っ赤にし、毛布にくるまった
「気付いたか……」
「なんで真っ裸なのよ!」
「仕方ないだろ……体拭くので精一杯だったんだ……」
どういう事なのかいまいちよく分からず、サヤはレンを見る。レンは顔を赤くして頑なにサヤから目をそらそうとしていた。まさか……
「……見た?」
レンは黙ったまま一度だけ頷いた。全てを理解したサヤは今日二度目の悲鳴をあげる事になった
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