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「正直すまなかった……」
謝るレンの顔には、殴られた後があった
「すまなかったじゃない!!」
言うと、サヤはそっぽを向いた。顔は更に赤くなり、恥ずかしさからか涙目になっていた
「……服取って」
レンはサヤの鞄を取ると、サヤにむかって投げて渡した
「……見ないでよ」
レンは返事をせず、席を立つ。そして風呂場に向かった。
それを確認してから、サヤは寝間着に着替え始めた。しばらくして、ベッドの下からコリンクが出てきて、申し訳なさそうに鳴いた。
そんなコリンクを、サヤは抱き締め、その頭を撫でる
「気にしないで。びっくりしたよね…… 」
よしよし、とコリンクを撫でてやると、コリンクは甘えたような声をだした。すると、ベッドの下からチコリータも出てきて、コリンクを羨ましそうに見ている。そんなチコリータに微笑むと、チコリータもベッドの上にあげ、撫でる
「チコリータもごめんね、今日は洗ってあげられなくて……」
チコリータは、気にしてないといったように短く鳴いた
「ありがとう……」
サヤは二匹をボールから出したまま、ベッドに横たわる
(冷静になると……やっぱりレンを殴ったのはいけなかったよねぇ……レンは何も言わなかったけど……謝った方がいいよね……)
そんな事を考えていると、レンが風呂場から出てきた。それを確認して、サヤは口を開く
「レン……さっきの……」
「あぁ……悪かった」
「ううん、私も……面倒見てくれたのに殴ってごめんなさい」
「なんでお前が謝る……」
途中まで言って、レンは言葉を止めた
「まぁ、気にしてないならいいか……」
それに……と、レンは一旦言葉を切ると、ベッドに入った
「結構いいもの見せてもらったしな。あれはあれで綺麗だった」
その言葉を聞き、サヤはまた顔を赤くする
「う……うるさい!」
サヤは毛布をかぶり、そっぽを向いてしまった。その様子を見て、レンが微笑むと、「おやすみ」といってテーブルランプを消した
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