旅立ちの風

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「それと……レン君、君はサヤさんに付いて行ってもらえますか?」 「「は?」」 サヤとレンのすっとんきょうな声が見事にマッチする。 「サヤさんは新人トレーナー、やはり何かと教え役がいなければ不便でしょう?それにサヤさんには暴走癖がありますからね、いざというときのストッパー役も必要なのです」 「わっ、私はそんなふうに暴走なんてしません!それに、私は一人でも平気ですから!」 「俺は構わない」 「えっ?」 サヤはレンを見た、先ほどから全く変わらない表情で、ただ前を見据えていた 「レン君もこうやって言ってくれている事です、ここは協力してもらった方が吉ですよ?」 サヤはしばらく考え、首を縦に振った 「よろしい。ではサヤさん、あなたにはポケモン図鑑を預けます。このポケモン図鑑を埋めるよう頑張ってください」 そう言って、ヒガン博士はサヤに薄型の機械を渡した 「はい。じゃあレン君……」 「呼び捨てでいい……年もそこまで変わらないだろうからな」 「うん。じゃあレン……よろしくね」 そう言ってサヤは、右手を差し出す 「あぁ……よろしく」 差し出された右手を、レンは左手で握る。そこに…… 「博士ー!図鑑見せに来たぜー!」 研究所にデカイ声が響く。サヤは眉をひそめ、ヒガン博士は苦笑し、レンはキョトンとしていた 「こんにちは、ダイキ君。図鑑を見せてください」 ダイキと呼ばれた少年は、ヒガン博士のところに行く途中、サヤとレンを交互に見ていた 「……何?」 サヤが明らかに不機嫌、といった様子でダイキに尋ねる 「こいつってさ、サヤの彼氏か?」 途端、サヤがダイキを殴り飛ばした 「ち、違うわよバカ!」 「いって~……だからって殴るか普通!」 「う……うるさい!」 「おい、二人ともよせ」 今まで黙っていたレンが、二人の間に入る 「俺はレン。俺はサヤのストッパー役だ」 「あぁそっか、サヤには暴走癖があるもんな!」 「納得するなー!」 またもやサヤに殴られるダイキ 「やはり……レン君を付いていかせるという判断は正解でしたね……」 「あぁ……」 サヤとダイキのやり取りを見て、ため息をつくレンとヒガン博士であった
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