進化の奇跡

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「イースシティのジムリーダーってどんな人?」 サヤは読んでいた雑誌から目を離し、レンを見た。彼もまた、雑誌を読んでいた。 「俺はこの地方のジムは挑戦した事がないから分からないが……毒タイプの使い手である事は確かだ」 「毒タイプ……」 サヤの手持ちに、毒タイプの弱点をつけるポケモンはいない。それどころか、サヤの持つチコリータは毒タイプが弱点、最初のジム戦からかなり不利な戦いになりそうだ。 (チコリータは極力避けて、どれだけコリンクが頑張ってくれるかに賭けるしかなさそうね……) サヤがジム戦に向けて作戦をたてていると、急にケータイの着信音のようなものが鳴り出した。するとレンが、ケータイを開く 「あ、ヒガン博士からだ。もしもし……」 レンがケータイを使う姿を見て (いいなぁケータイ……私も欲しいなぁ……) と、羨ましそうに眺めていると、急にレンがケータイをサヤに渡した。 「ヒガン博士が代わってくれってさ」 サヤはケータイを耳にあてる。 「ヒガン博士、サヤ です」 「あぁ、サヤさん。久しぶり」 「お久しぶりです!」 「レン君から聞いたよ。ジムに挑戦するんだって?」 「はい!ダイキに負けないように頑張ります!」 「ダイキ君にライバル心を燃やすのもいいけど、あんまり無理しないでね。それに、サヤさんはサヤさんなんだから、自分のペースでやればいいんだよ」 「でも……やっぱりダイキには負けたくないですから」 「まぁ、目的を持つのは良いことだけどね。それじゃ」 「あ、はい」 通話が切れたケータイを、サヤはじっと見つめる。 「良いなぁケータイ……」 「これか?」 そう言って、レンはケータイをとる。 「こいつはポケモバといって、ケータイとは少し違う。イースシティにポケモバを販売する会社があるから、ジム戦が終わったら行ってみるか?」 「うん!」 楽しみだなぁと、サヤは呟き、また雑誌を読み始めた。
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