その名はチームファウスト

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「さて……」 仁王立ちするレン、そして、正座するサヤ……。レンの説教タイムの始まりである。 「事情を説明してもらおうか……」 「あ……えっと……はい。実は……」 サヤは順を追って説明する。 「チルットをなつかせようと思ってボールから出したら……その……どっか行っちゃって……花瓶の上にいたから捕まえようとしたら……」 「壊れたと」 「はい……ごめんなさい……」 「というか、何故ボールに戻さなかった?」 「いや、あの……ボール、置き忘れちゃって……」 「まったく……」 レンはため息をつくと、サヤを立たせ、部屋から出るよう促す。 「ポケモンと仲良くなりたいという気持ちは分かった。そうした方が良いと言ったのも俺だ。だが、場所はわきまえてくれ。今回は誰も怪我はなかったが、本当に危ないからな」 「うん……ごめんなさい……」 レンはサヤの肩に手を置き、外に出る。サヤのポケモバを買うために…… 「休業ォォ!?何で!!」 サヤが店の中でシャウトする。店員はサヤをなだめ、説明する。 どうやら社長のポケモンが拐われたらしく、社員総出で捜しているという。 「それは大変ですね」 レンが口をはさむ。 「でもどうして拐われたと断言できるのです?」 レンの質問に、店員は声をひそめ、話し出す。 最近、イースシティではポケモンの誘拐が多発しており、そのせいではないかと警察に言われたらしい。盗んだ集団はファウストといい、イースシティから少し離れた森の中にアジトを構えているという。 「そんな忙しい時に……失礼しました」 レンは、まだふてくされているサヤを引っ張り、店を出た。その組織の名、ファウストと呟きながら……
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