その名はチームファウスト

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「頼むぞストライク!」 「やれ、コラッタ!」 ボールが開き、ストライクとコラッタが対峙する。 「ストライク、手始めに剣の舞い!」 ストライクが集中力を高めると、ストライクの鎌が鈍く輝いた。 「必殺前歯!」 「燕返しだ!」 コラッタの動きに合わせて、ストライクが燕返しを繰り出す。 「強い……」 「続けて辻斬り!」 まだ立ち上がっていないコラッタを、ストライクは問答無用に切り裂く。 「くっ……これほどとは……」 続けての攻撃には耐えられなかったのか、コラッタはなす術もなく倒れてしまった。 「ぬぐぅ……本部に報告を……」 と、その男の鳩尾(みぞおち)にレンの拳が炸裂、男はあっけなく倒れてしまった。 「……この鍵があればいいか?」 男から鍵を奪い、荒縄で縛り付けて、レンが戻ってきた。 「チームファウストの本部に向かおう。そう遠くはないはずだ」 そう言って、先に進むレンを見て、レンは怖い、サヤは改めてそう思った。 『どうかね?ポケモンの方は……』 モニターからの声に、男は舌打ちをし、 「問題ない。もうすぐ奪いとったポケモンをたらふく送ってやるからよ~、楽しみにしてな」 『お前!毎回毎回主になんて口の聞き方を!』 今度はモニターから女性の怒鳴り声が飛んでくる。 「うぜーんだよお前!口の聞き方なんざ関係ねぇだろうが!」 『なにをふざけた事を!』 『もういい。今に始まった事では無かろう……』 『ですが……』 モニターの女性は、反論しようとするもすぐに身を引いた。 『とにかくだ。お前は少しでも多くポケモンを捉えろ。それでお前の貯めた借金はチャラになる。分かっているな?』 「あぁ……」 『では、期待しているよ。チームファウスト幹部、レイヴン』 モニターからの回線が切れると、レイヴンは椅子にふんぞりかえった。 「だがな……」 レイヴンは怪しげな笑みを浮かべる。 「すこーしだけ遊んでみたい奴がいるんだよ……」
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