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「ベイリーフ、マジカルリーフ!」
「グレイシア、シャドーボールだ!」
二人のポケモンが、それぞれ敵のポケモンを戦闘不能にする。
「バカな……」
「強い……」
チームファウストの団員二人が逃げようとするのを、グレイシアの冷凍ビームが止めた。
「逃げようとしても無駄だ。少しの間、凍っていてもらう。グレイシア!」
グレイシアが冷凍ビームを全身に放ち、二人の団員を凍らせる。
「サヤ、先に進むぞ!」
「うん!」
「なんとか潜入したはいいが……」
壁に隠れたレンが、アジトの中の警備の厳重さに思わず舌打ちをする。
「流石にここを突っ切るのはしんどいかもね……」
サヤも、ここを強行突破するという無謀な事はしないらしい。
「仕方ない。俺が囮になって警備員の注意を引く。そしたらお前は一番警備の堅い扉を抜けろ」
「えっ……それじゃあレンが危険……」
「心配するな。戦いはしないさ。ここからは手分けして行動する。気をつけろ」
「うん……。レンも……気をつけてね?」
レンは何も言わずに頷くと、警備員のいる方へと走っていった。
───サヤ視点
「意外と上手くいったわね」
扉をくぐった先には、本棚と空っぽの檻があるだけだ。
「なんにも無いなぁ……じゃあなんでこんな部屋を?」
サヤはとりあえず鍵を閉め、部屋の中を探ってみた。
しばらくして、サヤは奇妙な光景を目にする。
「あれ?なんで本棚があるのに本が床に置いてあるの?」
しかも、それらは一冊や二冊ではなく、数十冊の本の束だった。
「う~ん……本棚が重くならないようにしたのかな?まぁいいや。とりあえず本棚を調べてみよっか」
サヤが本棚を調べていると、この本棚を動かしたような痕跡を見つけた。
「なるほど……だったら」
サヤが本棚を動かすと、その後ろに階段が隠されていた。
「よし、先に進もう!」
サヤは一人、階段を慎重に上がっていく。
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