その名はチームファウスト

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「見張りが三人に巡回が二人か……」 なんとか潜入に成功したサヤ、今は見張りと巡回をどのように攻略するのかを考えていた。 「そうだ!お願いチルット!」 「チルチル~」 サヤは持っていた音楽機器のイヤホンを耳に着け、 「チルット、あいつらに聞こえるように歌うのよ」 と、命令した。チルットも了解したとでも言うように、その場で数回跳ね、歌いだした。 「なんだ?うっ……」 「これは……くっ……」 「体に力が……うぅ……」 次々と倒れていく見張りと巡回、 「よくやったわ。戻ってチルット」 チルットをボールに戻し、イヤホンを外す。イヤホンは自分がチルットの歌を聞かないようにするための耳栓だったわけだ。 「見張りがいたのは……あそこね!」 サヤは見張りを起こさぬよう、慎重に歩みを進めた。 ――――レン視点 「どうやら撒いたようだな」 レンは無造作に積まれていた段ボールの影からそっと身を乗り出し、追っ手が来ない事を確かめた。 「とにかく、先に進まなければ話にならない」 レンは適当に近くのドアノブを捻る。 「開かない……鍵がかかってる……という事は、ここには重要なものが……」 レンはしばし考え、モンスターボールを構えた。 「実力行使、頼むぞストライク!」 「ストッ!」 「ストライク、この扉を切り刻め!」 「ストッ!」 ストライクの鎌の軌跡に合わせて、扉に傷がつく。刹那、扉はあっけなく崩れ落ちた。 「中には何が……ん?」 中にあったのは、ポケモン用の檻と、その中に入っていたラルトスだ。 「ここに奪ったポケモンを入れていたのか……」 レンはストライクに命じ、ラルトスの入った檻を破壊した。そして怯えた目で見ているラルトスをそっと鞄の中に隠し、その場を去ろうとするが、妙に服が重い。 「なんだ?」 そこには、檻の中にいながら、レンの服に噛みついたとあるポケモンがいた。
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