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「悪いなサヤ。野暮用で遅れちまった……」
階段から上がってきたのは紛れもなくレンと、その相棒のグレイシアだった。レンはリングマの注意をグレイシアに向けつつ、サヤに離れるよう促した。サヤは頷き、その場から離れる。
「もう一人いやがったか……まぁいい、どうせそっちのネズミは戦力にはならない。それに、お前の方が強そうだしな……」
「行くぞグレイシア!」
「クーッ!」
グレイシアが体勢を低くして唸る。こんな風に唸るグレイシアは見たことない……サヤはそう感じていた。
「リングマ!切り裂く攻撃!」
「グマーッ!」
「冷凍ビームで足を狙え!」
爪を立てて突っ込んでくるリングマに放たれた冷凍ビームだが、野生の勘か、はたまた訓練の賜物か、当たる寸前でリングマが冷凍ビームをジャンプで回避する。
「危ない危ない。冷凍ビームで凍らされたらいいようにやられちまうからなぁ……お次はメタルクローだ!」
「ガァァァ!」
「もう一度冷凍ビーム!」
またもや冷凍ビームは寸前で回避されてしまう。
「無駄無駄無駄ぁ!このリングマの反射神経を舐めるなよ!」
「レン!あのリングマに冷凍ビームは……」
「あぁ……分かってる……」
「ならどうして……」
「リングマ、もう一度メタルクロー!」
「グマーッ!」
リングマが爪を立てて突っ込んでくる……が
「グマッ!?」
「なっ!?」
走っている最中にリングマが転倒したのだ。まるで、スケート初心者がスケート靴に慣れずに転ぶかのように……そう、氷上で……
「今だ!水の波動!」
「クーッ!」
転倒したリングマが起き上がる前に、グレイシアの渾身の水の波動が決まり、リングマは転倒したまま戦闘不能になってしまった。
「素早い動きを得意とするリングマに、直線的な攻撃を当てるのは難しい。だがその素早さを奪ってしまえばどうか?リングマはただのパワー馬鹿になる」
「そうか……氷の上ならいくら速く動けても意味が無い!そのためにわざと冷凍ビームを!」
「そういう事だ。さぁ、次のポケモンはどうした!」
「くっ……最後の一匹……ドーミラーだ!」
「なら俺も、さっき新しく増えた仲間だ!いけ、リーフィア!」
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