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「へぇ……ノースタウンに行く道は開いていたのか……」
レンが鶏の唐揚げを頬張りながら、ダイキの旅の話を聞く。サヤはと言うと、ただ無言で鴨南蛮を食べている。
「なんだけどさ、ジムリーダーが放浪癖っていうのがあるらしくてよ……結局3日待たされたぜ……」
やれやれだったよ……とため息を吐く。
「じゃあイースタウンのジムバッジは実質2個目ってわけだな」
「あぁ、あそこのジムリーダーの毒には悩まされたよ……いざって時の為に連れてったエアームドが活躍してさ……」
その後も、食事処で談話(レンとダイキの)が交わされ続けた。一人蚊帳の外なサヤは、少々うんざりしてきたようだ。
「ねぇ、もう食べ終わったなら早く行こ。夜の峠道は危ないから暗くなる前に越えたいんじゃなかったの?」
「そうだな……」
ようやくダイキと離れられる……そう思ったのも束の間
「よかったらダイキも一緒に行かないか?」
「は?」
「俺はいいぜ!ちょうど一人で退屈してたんだ」
「決まりだな……」
「ちょっと!私の意見は!?」
「いいだろ、人数は多い方が」
「だけど……何でよりによってこんな奴と……」
「あ、そういやまだサヤとバトルしたこと無かったな……丁度いいや、アラマキ峠下ったらバトルしようぜ!野生のポケモンもトレーナーもいなくて鈍ってたんだよねぇ」
「えっ、そんな急に言われても……」
「なんだよ~。あ、まさか負けるのが怖いのか?」
「っ!!いいわ、その勝負乗った!」
「おいおいいいのかよ……」
「これでサヤは俺が着いていく事に文句を言わなくなるぜ?」
「あぁ……」
サヤは扱い易いなぁ……と、つくづく思うレンだった。
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