敗者の屈辱

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「へぇー、一応ポケモンは捕まえてるみたいだな」 「一匹でなんとかなるなんて思ってないわよ!」 「だけどホントにお前が捕まえたのか?だとしたら相当間抜けなコリンクだな」 「どういう意味よ!!」 「サヤなんかに捕まるなんて間抜けだなぁ~って思っただけだよ」 「あっったまきた!!コリンク!噛み付く!」 「モココ!電磁波!」 「メェー!」 コリンクが飛び付こうとするのを、モココは弱い電気を放って応戦する。 「コリンクは電気タイプ!そんな電気技効かな……」 サヤは途中で言葉を止めた。いや、止まった。噛み付くを命じたはずのコリンクが動いていない。正確には動けないだが…… 「えっ、何……どうしたの?」 「電磁波は相手を麻痺させる技さ。麻痺したポケモンは素早さが半減して動けない事がある」 「そんな……コリンク!」 コリンクは、体を襲う痺れに顔をしかめながらも、なんとか立ち上がる。 「なかなか根性あるコリンクだな。気に入ったぜ」 「だてに今までバトルしてきたわけじゃないわ!コリンク、スパーク!」 「リーッ!」 コリンクが電気をまとい、モココに体当たりする。 「モココ、シグナルビーム!」 「メェー!」 モココの尻尾が輝き、虹色の光線がコリンクに向けて発射される。 「リーッ!!」 真正面から突っ込もうとしたコリンクはその光線をもろに受けてしまう。 「コリンク!?」 「リ……リィ……」 コリンクはまた立ち上がるが、目の焦点が合わないのか、周りをキョロキョロし出し、明らかに様子がおかしい。 「コリンク……どうしちゃったの……」 「混乱だな」 「混乱……?」 「混乱状態になると攻撃が当てにくいどころか、自分自身を攻撃する場合がある。シグナルビームの追加効果が効いたんだ」 「そんな……お願いコリンク!」 サヤの必死の呼び掛けも、混乱状態のコリンクには届いていないようだ。 「悪いけど決める!モココ、パワージェム!」 モココの繰り出す輝く宝石の礫に、コリンクは倒れてしまう。 「コリンク、戦闘不能……だな」
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