ひとつの道

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夜空に星が輝き、月も出てきた頃、レンとサヤはポケモンセンターの前にいた。 「ポケモンは三匹まで、途中でポケモンを交代してもオッケーね」 「分かった。出てこい、リーフィア!」 宙に投げられたボールから、リーフィアが颯爽と現れる。 「リーフィアか……ならチルット、お願い!」 サヤは草タイプに相性の良いチルットを場に出した。 「チルットに草技は無しだな……リーフィア、燕返し!」 リーフィアが先手を取り、チルットに飛び掛かる。 「チルット!」 チルットはタイミングを合わせて飛び上がるが、リーフィアが跳躍し、空中のチルットに燕返しを命中させる。 「燕返しは必中技だったわね……ならチルット、歌う攻撃!」 「チルッ!」 チルットは空中で持ち直し、リーフィアに向かって睡魔を催す歌を歌いだした。 「くっ……リーフィア、その歌を聞くな!」 しかし時、既に遅し、リーフィアはチルットの歌を聞いてしまい、そのまま眠ってしまった。 「まずいな……戻れリーフィア」 レンは眠って動けないリーフィアをボールに戻し、もう一つのボールに手をかけた。 「頼む、グレイシア!」 「私もポケモンチェンジ!出てきてコリンク!」 グレイシアとコリンクが対峙する。先に動いたのはコリンクだ。 「コリンク、一気にいって!」 コリンクが一直線にグレイシアに向かっていく。 「一直線に攻めてきたな……グレイシア、冷凍ビーム!」 グレイシアの放った冷凍ビームは一気にコリンクまでの距離を縮める。 「今よコリンク!ジャンプして!」 冷凍ビームが当たるか当たらないかの距離で、コリンクは思い切りジャンプして冷凍ビームを回避する。 「バカな!?」 「いいわよコリンク!放電を決めて!」 「リーッ!」 空中からの電撃が、グレイシアを捉える。 「このコリンクはジャンプ力が優れている、だからこうやって攻撃させることを思いついたの」 「なるほど、リーフィアを眠らせたのはより有利に戦えるグレイシアを引きずりだすため……か。それに……」 レンはちらっとグレイシアを見る。グレイシアは先程の放電の影響で麻痺していた。
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