ひとつの道

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「グレイシアが麻痺したってわけね……」 「戻れグレイシア」 リーフィアが眠り、グレイシアは麻痺、レンが持つ健康体のポケモンは、あと一匹しかいない。 「こい!ストライク」 ストライクは、飛行タイプも持っているため、電気には弱い。つまり、コリンク相手には幾分か不利、という事になる。 しかし、何を思ったか、サヤはコリンクを戻した。 「一応みんなを使いたいから、我慢してねコリンク。いって、ベイリーフ」 サヤは相性の良いコリンクを戻し、相性の悪いベイリーフを繰り出した。 「何をするのかは知らないが……いかせてもらう!ストライク、剣の舞!」 ストライクはその場で、まるで踊るかのように鎌を振り回した。 舞うのを止めたストライクは、持ち前の速さで一気にベイリーフに接近する。 「ベイリーフ今よ!宿り木の種!」 「ベィ!」 ベイリーフの放った極小の粒がストライク目掛けて飛んでいく。 「影分身で姿を眩ませ!」 直後、ストライクが目にも止まらぬ速さで横に動き、宿り木の種を回避する。 「そのままシザークロス!」 ストライクがベイリーフの目の前で2つの鎌を振り上げる。 「ベイリーフ、毒の粉!」 「ベィィ!」 ベイリーフの吐いた紫色の霧を吸ったストライクが、急に苦しみだす。 「ストライク、距離をとれ!」 ストライクは立ち上がり、ベイリーフから離れる……が 「ストッ!?」 「これは……」 ストライクの足に、植物の蔓が絡まった。しかもその蔓は、ストライクの体力を吸収している。 「さっき外した宿り木の種……」 「このベイリーフは長期戦向きの技を多く持っているからね、だから攻撃するよりも相手を妨害するっていう作戦を思いついたの」 「なるほど、ポケモンを代えさせて有利な状況を作る……それがお前の戦い方か……」 レンはストライクに毒消しを使い、ボールに戻す。 「いいんじゃないか?そういう戦い方も」 「でしょ?考えるの難しかったんだから!」 「だが、そういうバトルスタイルってやつは1つじゃない。また新しいやり方っていうのを見つけられるかもな……」 「うん。がんばってみる」
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