それぞれの誇り

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リングに戻ると、既に次の相手が控えていた。 「二番手は俺だ。筋肉馬鹿と呼ばれたこの俺の美しきボディを見よ!」 相手方の男は急に上着を脱ぎ、ボディービルダーのようにポージングを繰り返す。観客席からは、驚きと呆れのため息が聞こえてくる。 「……審判」 「では第二回戦、始め!」 「って!俺の肉体美を無視するなー!」 一同、呆れたように笑いだし、相手も咳払いして、ボールを構える。 「俺はコドラを使う!」 「なら俺はリーフィアだ!」 鋼と岩の混合タイプであるコドラに、草タイプのリーフィア、タイプの相性はまずまずといったところだろうか。 「いけコドラ!アイアンヘッド!」 「リーフブレードで受け止めろ!」 コドラとリーフィアがぶつかり合い、双方一旦距離を置く。 「ストーンエッジ!」 コドラが地面を叩くと、無数の岩が上空に舞い、一気にリーフィア目掛けて降り注ぐ。 「穴を掘れ!リーフィア!」 「フィイイイ!」 リーフィアは一生懸命リングを引っ掻き、何とか中に入ってストーンエッジをやり過ごす。 「あ……リングが……」 ジンが何か呟いたが、気にしてはいけないと思う。 「葉っぱカッター!」 穴から飛び出したリーフィアは、鋭利な木の葉を飛ばす。 「コドラ!鉄壁でやり過ごせ!」 「ガゥ!」 コドラは体を小さくして、葉っぱカッターを耐える。 「フッ……流石に二人目となると、簡単に勝たせてはくれない……か」 「なかなか骨がある野郎だが……勝負はこれからだ!」 「リーフィア!リーフブレードで突っ込め!」 「アイアンヘッドで迎え撃て!」 またしても、二匹がぶつかり合う。そしてそのまま、しばらく鍔迫り合いの状態が続く。
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