それぞれの誇り

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突然、リングの照明が落ちた。そして、あたかもボクサーが出てくるかのように、スポットライトがジンを照らす。 「待たせたな……改めて、俺がバルトコロシアムのコロシアムマスター、ジンだ。ここまで勝ち上がった事は誉めてやる。だが、俺に勝たねばその勝利は無意味だ。さぁ、俺を楽しませてくれよ!」 「それでは、バルトコロシアムの決勝戦を行います。両者、ポケモンを!」 「いけ、ザングース!」 「ザングース……ならばストライクだ!」 両者のポケモンの登場に、会場は一気にヒートアップする。 「それでは、バトル開始!」 「先手必勝!ザングース、シャドークローを決めてやれ!」 「ザンッ!」 「ストライク!シザークロスを叩き込め!」 「ストラーイ!」 ザングースとストライクの攻撃がぶつかり合う。両者も力の上ではほぼ互角といったところだ。 「ザングース!砂かけで目を潰せ!」 「ザンッ!」 ザングースは先程リーフィアの掘った穴の付近の砂を掴み、ストライクに投げつけた。 「ストライク!霧払いで砂を吹き飛ばせ!」 「ストッ!」 投げつけられた砂は、ストライクの羽ばたかせる羽によって霧散した。 「流石にやるな……ザングース!」 「ザン?」 「気合い入れてけよ!切り裂く攻撃!」 「ザンッ!」 「相手の闘志も完全に燃えている……か。ストライク!こっちも切り裂くだ!」 「ストラーイ!」 ザングースの爪とストライクの鎌がぶつかり合い、激しい火花を散らす。両者一歩も退かないバトルだ。 「押し返してやれ!ザングース!」 「こっちもだストライク!」 力で押し返そうとする二匹、力押しが通用しないと見た二匹は、一旦距離を離す事で、相手の出方を伺っている。
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