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気を取り直して、俺はゆっくりと男達へと近付いていった。
「何だ、お前?
怪我したくなかったら脇にどいてな」
男は訝しげに俺を見据え、顎で街道の脇を指し示した。
彼らも最低限の装備は携えているようだが、先ほどの無様な足音や呼吸の荒れ方を見るに、腕の程度は高が知れている。
「エデン、一人一殺な」
「事情はよくわからないが…
殺しだけはするなよ」
エデンは俺のさらに一歩前に出た。
「やんのか?」
男達も一歩ずつ近付いてくる。
「かかってくれば良いじゃん!
ま、この人達めっちゃ強いから、あんたらなんかボッコボコのギッタンギッタンにしてロレーヌ川の底に沈めちゃうけどね!
多分」
少女がさっきまでとは随分違う口調で舌を出して見せた。
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