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光が消えた後、私に向かって敵の鎌が振り落ろされた。
私は、横に何とか転がって難を逃れた。
その時、私は自分が何時の間にか服を着替えているのに気付いた。
「な、何よーーこれーー!!」
私は、声を限りに叫ぶ。
しかも、服にはヒラヒラしたものが付いていた。
これじゃ動き難い。
私はこんなので逃げれるのかなあ。
しかも、こんなの私の趣味じゃないーー!!
『言霊を唱えよ』
自分の中の誰かがそう言った。
この声、確か光に包まれる前に聞いた男の人の声……
言霊って何?
私は自分の中にいる何者かに、心の中で問いかけた。
男(?)は、呆れて
『復唱しろ』
ただ短く私に命令する。
私は腕を前に突き出す。
敵は鎌を振り上げ、迫ってくる。
ううっ……
緊張するよう……
『氷よ我らが敵を切り裂く鋭き刃となれ! 氷華刃!』
私は、言われた通りに復唱した。
「氷よ我らが敵を切り裂く鋭き刃となれ! 氷華刃!」
『そこで敵の体を指で払え』
私は、言われた通りに指で敵の体を横に払った。
すると、なぞった通りに化け物の体が二つに分かれた。
うっそう……
呆気にとられて立ち尽くす。
「ギャア!」
化け物は短く叫んで消えた。
化け物が消えると右手の手のひらにが、急に熱くなった。
手のひらを見ると、中心に『氷』の字が書かれていた。
こうして私は、訳も分からぬまま氷水龍として覚醒した……
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