第一章 始まり

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一時間程たち、私の中で訳の分からない声に構っていてもしょうがないと整理がつき、部屋を出て階段を下りた。 階段を下りている途中、良い香りが漂ってくる。 どうやら、誰かが料理しているらしい。 多分彼だよね。 私は台所に向かう。 そこではファイが楽しそうに鼻歌を歌いながら料理をしていた。 しわくちゃな寝間着の上に少しくすんだ赤いエプロンを着ている。 ファイはふさふさとした若白髪を適当に跳ねさせている。 背はそこそこ高いかな? 「お早う美佳。朝御飯出来てるよ。早く食べよ」 「はーい」 私は席につきファイが運んでくるのを大人しく待つ。 やがて、出来た料理をファイが両手で持ち、運んでくる。 何故か朝から中華料理なんだよね。 でも、ファイが作る料理はとても美味しいから。 だから、朝から中華でも全然OK!! 食事の間は話が弾む弾む。 やっぱり料理が美味しいからかな。 食べ終わると、時計は七時。 まだまだ学校へ行くには早い。 ファイは部屋に戻る。 私は、食べ終わった後の食器を片付け始める。 今日は食器の片付けは私の当番だ。 袖捲りをし、スポンジに洗剤をつけて食器の汚れを拭う。 鼻歌を歌いながら食器を洗っていく。 全部に洗剤をつけ終わると、今度は蛇口をひねり、水を出し洗剤を流す。 そして、水切り棚に置いていく。 全てが終わる頃には、時間は七時半。 私は部屋に戻り、着替えにいく。 多分ファイも今頃着替えてるかな?
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