第一章 始まり

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私はクローゼットの中にかけてあるビニールを被せてある真新しい、紺の制服を手にとる。 ビニールを無理矢理はがし、床に捨て置く。 帰ってから捨てようかな? ふと思い、冬服上下をクローゼットに戻し、夏服を取り、出しやすい場所にかける。 寝間着を脱ぎ捨て、制服を順々に着込む。 仕立ててもらった為か制服はサイズピッタリ。 新品特有の匂いが僅かに匂うが、気にする程じゃないかな? 今日は私達が入る学校――四神学園の入学式だ。 時間を見ると八時。 ちょっとヤバイかな? 私は机の上にあった鞄をひったくる様に、右手に抱え階段を駆け下りる。 しかし、ファイはまだいない。 「早く! ファイ! 遅れちゃうよ!」 ゆっくりと息を吸い込む。 そして、大声を出す。 「ちょ、ちょっと待ってもうちょっとだから……」 ファイは慌てて下りてくる。 微妙にズボンの丈があっておらず、ずっている。 見ているだけで転びそうだ。 ファイは下りると、ズボンの丈を折り込む。 「よし終わった行こう」 私とファイは、急いで学校へ向かった。 あ、鍵かけたっけな? まあ良いか。
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