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私はクローゼットの中にかけてあるビニールを被せてある真新しい、紺の制服を手にとる。
ビニールを無理矢理はがし、床に捨て置く。
帰ってから捨てようかな?
ふと思い、冬服上下をクローゼットに戻し、夏服を取り、出しやすい場所にかける。
寝間着を脱ぎ捨て、制服を順々に着込む。
仕立ててもらった為か制服はサイズピッタリ。
新品特有の匂いが僅かに匂うが、気にする程じゃないかな?
今日は私達が入る学校――四神学園の入学式だ。
時間を見ると八時。
ちょっとヤバイかな?
私は机の上にあった鞄をひったくる様に、右手に抱え階段を駆け下りる。
しかし、ファイはまだいない。
「早く! ファイ! 遅れちゃうよ!」
ゆっくりと息を吸い込む。
そして、大声を出す。
「ちょ、ちょっと待ってもうちょっとだから……」
ファイは慌てて下りてくる。
微妙にズボンの丈があっておらず、ずっている。
見ているだけで転びそうだ。
ファイは下りると、ズボンの丈を折り込む。
「よし終わった行こう」
私とファイは、急いで学校へ向かった。
あ、鍵かけたっけな?
まあ良いか。
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