第一章 始まり

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学校へ急いで行くと、まだまだ始業式迄時間があった。 走って来た為か、私達は汗だくになっていた。 そんなに暑くは無い筈だが、服の枚数の性かな? 「ちょっと早く来すぎたみたいだね。美佳」 「ごめん。ファイ」 私はファイに謝った。 ファイは別に咎めてる訳じゃ無いのは分かってるけど、謝らないといけないんだよね多分。 「良いよ。それよりもクラス発表見に行こう」 ファイがそう言うので私達二人はクラス発表を見に行った。 風が吹く度に、桜が空に舞い踊り、地面に落ちる。 綺麗だよねえ。 入り口下足室の前のドアに長々とクラスと生徒名が、つらつらと書かれた紙が、目立つ様に貼られていた。 私達はAから探すと私の名前は直ぐ見つけられた。 「えーと私は、Aクラスだね。ファイは?」 「僕もAクラスだよ。さあ、教室まで一緒に行こう」 ファイはそう言い、私は頷く。 そこから少し戻り、正門正面の職員・来客者専用の入り口から入る。 スリッパを鞄から出し、靴に換えて履き、正面の階段を上る。 四階につくと、私の不注意で下り様とする少年とぶつかってしまった。 「ご、ごめんね。大丈夫だった?」 「大丈夫だから良いよ……別に……」 少年はそれだけ言うと走って行ってしまった。 身長はあまり高くなく、制服は高等部の物とは僅かに違う。 「あの男の子って中学生かな?」 「多分ね。此処は、中学校もあるから」 「ふーん、そうなんだ」 中身のある会話はそれっきりで、後はとりとめのない話をしながら、クラスへ向かった。
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