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入学式が終わり、クラス内での挨拶等々も終わり私達は神社への帰路に、ついていた。
日は高く、昼近くである事が何となく分かる。
お腹も僅かに鳴り始めている。
うーお腹空いた……
「美佳は、クラブには入らないの?」
「入んない……と思う」
「どうして?」
ファイは不思議そうな顔をして聞いてきた。
「今まで通り神社の手伝いしなくちゃなんないからね。だって私巫女さんだし……」
「そっか……」
気まずい雰囲気になってしまった。
「それに……」
「どうしたの、美佳?」
「ううん、何でもない」
そんな話をしていると、別れ道まで来た。
右に行けば市街地の方に行く。
「あっ、私本屋行きたいからファイ先帰ってて!!」
私はファイの方を振り返らずに走り出した。
まるでファイから逃げ出すみたいに……
私はファイが見えなくなると、走る速度を落とし歩き出す。
隠しておくしかない恋心。
しかし、時々隠しきれなくなってしまう。
私は、ファイに助けてもらった。
精神がまいっていた時に彼の暖かさがどれ程助かった事か……
いっそのこと打ち明けちゃえば楽になるのかな……?
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