山根の罠

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山根の罠

人通りの少ない細い路地 『バキッ!』 山根の右パンチが、僕の顔を直撃した。 激痛が体全体に、走る。だけど、今の僕にはそんなこと、どうでもいい! 今の僕には、麻薬以外になにもいらない。 『金がねぇならくるんじゃねぇ~よ!!』 『金持ってきたら、売ってやるからよ!』 山根はそういうと、笑いながら夜の街へ……消えてった…… クソっ!山根のやつ、結局金目当てだったんだ! わかってた……それぐらいは…。 それより、早くあったかいところに行かなきゃ… 真冬の外はキツい…一日もいたら死ぬ!絶対に…… でも、今の僕には歩く体力も残っていない…… どうしよう…帰んなきゃ…凍え死にそうだ。 さっき、殴られたときの弾みで、携帯は使い物にならなくなっていた。 ヤバい…!ヤバい…!
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