11人が本棚に入れています
本棚に追加
洞窟を出た。
その先に、一人の女性がいた。
シャナではないようだ。
「あなたは、誰?」
澄んだ声だった。
「俺はアズサって言うんだ。」
「違う。」
「は?」
女性は、自分の言った言葉を思い出し、言葉的に意味が伝わらなかったことを結論づけ、言い直した。
「あなたは、ここの人?」「いや、違う」
女性は、少し考えた。
「そう………じゃあ、あなたは、今日、ここに来た?」
「ああ」
女性は、喜びの表情を見せた。
「じゃあ、あなたは【時の人】なのね」
「時のひ………ん?」
急に、視界がボヤけてきた。
女性の声が、微かに耳に届く
「あな―を、お連―しま―あ―方の下―――」
まぶたが重くなり、視界は完全に遮られた。
最初のコメントを投稿しよう!