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「あなたに知って欲しいのです。あなたの使命を。あなたの使える能力を」
「使命?能力?」
おほん、と神父は咳払いをし、続けた。
「あなたは、この世界に導いた方に何と言われましたか?」
アズサは思い返してみる。が、色々ありすぎて、また、夢を見ていたような感覚のため、ほとんど覚えていなかった。
記憶の破片を繋ぎ止め、1つのことを思い出す。
「この世界は………救わないといけないんだよな?」
「そう。まぁ、それについては今は詳しくお話ししません。」
「で、能力って?魔法とか?」
暇なんで急かしてみる。
「ほ~、察しが良いですね。まぁ、厳密に言うと【魔方式】ですが」
アズサは唖然としていた。自分のいた世界では、憧れだった力を、自分が使えるのだから。
「使い方は簡単です。想像する力に魔力を加えるだけです。
火の玉を作りたいと想像して、魔力を込める。それだけで使えます。」
「魔力を込める?」
「感覚としては、想像物をどうしたいか想像するだけです。」
アズサは、試しに手のひらを天井へ向けて、そこに火の玉を作りたいと想像した。
すると、小さな火の玉がアズサの手のひらに出現した。
「上手くいけば、強力な魔法式も使えるようになりますよ。」
「やっべ、テンション上がるわコレッ!!」
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