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「うん。祐紀よ」
早紀は後ろにいる祐紀を前に出すと祐紀は不安そうな顔をしていた。
長里は屈むと祐紀の頭に手を乗せる。
「そうか。この子が、アイツの」
「もしも、彼がいれば昔のメンバーは全員揃うのにね」
長里と麻奈美は顔を曇らせた。
早紀はそんな二人を見てため息を吐いた。
「主役がそんな顔してたら、始まる物も始まらないよ」
早紀は笑顔で言う。
一番、傷ついているのは彼女なのに
〈もう、考えても仕方ないんだ〉
早紀はある者を尋ね、何回もある場所に通った。
だが、一方的に面会を拒絶された。
何回目だったか、早紀はそこの管理をする人に一枚の手紙を授かった。
中身は
『拝啓、暦の上ではもう冬真っ盛りですが、元気にお過ごしですか?
俺は何時ものようにまったりとやってます。
なんか面会に来てもらってるみたいだけど、俺の事は心配せずに自分の事を優先してください。
あなたの未来には光りがあるのですから、けして俺の為にその光りを見失わないで下さい。
早紀。
どうか、幸せに生きてください。
それが俺の一番の望みです』
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