第二章~出逢い~

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二人は、裏庭の広場へとやってきた。生徒達が少しでも快適に過ごせるようにと、校長が考えた案だった。 今では、ちょっとした生徒達の憩いの場になっていて、好評のあるスポットとなっている。 「…………」 「ぇっと…」 「…………」 「…大丈夫?」 余りの緊張で押し黙ったままの彼女に、流唯は声を掛ける。呼び出した張本人は自分だという事実と、心配してくれている彼の優しさに、意を決し、握られている右手の中の手紙を差し出した。                                               「こ、これ…読んで下さい!!」                                               ようやく搾り出したその言葉と同時に、両手を前へと突き出す。左右の足がガクガク震え、止まらない。その顔は真っ赤に染まり、指先は小刻みに痺れ、恥ずかしさの余り、うつ向いてしまう。 自分の両手から感触がなくなったのと同じく、すぐにその場を離れようと思っていた彼女に、流唯は言った。 「…ここで読んでも良い?」 「え?」 まさか、読んでくれるかさえも不安だった彼女にとって、その言葉は飛び上がりたい程、嬉しいものだった。 「はっ、はい!」
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