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一瞬辺りが暗くなったと思ったら僕はさっきとは違う場所に居た。
そこには男に首を抑えられ地面に押し付けられて居る少女が居た。
目線の先には石を投げられている少女を庇った青年が居た、
声を出せないように口に布を噛まされ太い木に張付けになっている姿だった。
「その人は何もしてない、私とは何も関係ない、だから何もしないで!!」
少女は泣きながら何度も叫んでいた。
青年はひどい暴行を受けたのか顔が所々腫れたり痣になっていた。
青年の所に一人の男が近づく手にはナイフが握られている。
これから起こることが予想できた僕は叫びたかったが声が出ない、動こうとするも動けない、
また僕は何も出来ないのか、傍観者で居ろって言うのか
!何でだよ!声を出せよ!体よ動けよと何度も頭の中で叫ぶがどうにもならなかった。
「止めて!お願いだからその人に何もしないで!私はどうなってもいいだからその人には手を出さないで」
泣き叫びながら言ったが、ナイフを持った男は止まらなかった。
「嫌、いやあぁぁ、駄目ぇ、お願いだから止めて」
押さえつけている腕から逃れようと暴れるも少女の力ではどうにもならなかった。
ナイフが青年の喉下に押し付けられた。
一瞬だった、気づいた時には青年の口と喉元から血があふれ、胸元を真っ赤に染め上げる。
「うあ゙ぁああ゙ぁあぁ゙ああぁぁうあ゙ぁあ゙ぁぁ」
声にならない悲鳴が少女の口から出る。
僕はこの普通じゃない事態をただ見ている事しか出来なかったそして、目の前が暗くなった。
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