流れ流され着いたよ魔界

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 外観に比べ、室内は意外に普通の造りみたいで。調度を並べたり、格調高い様相をした廊下が続いたりと人間の世界に見た事のある景色が続いている。 「…………」  先頭に立つ二人の子供は静かに目的地に向かって歩き続ける。 全く話さずに職務に忠実な様は、何となく正しいとは思うのだけれど……。 「暇そうじゃの、主?」  俺のその失礼な心の内を悟ったのか、優しいサテナは俺に話しかけてくれる。 「ん、悪い。余り目新しい物もないみたいでな……」  どうせばれているのだから、と正直な感想を口にしてみる。  すると、前の二人もその言葉を聞いていたのか、足を止めずに上半身だけをこちらに向け、口を開く。 「こちらにある物は全て、一見すると普通の調度品にしか見えないかも知れませんが、そのどれもが一級の魔道具なのですよ」  と、笑顔混じりにそう説明してくれる。二人とも得意げにしている所を見ると、この品々は中々に自慢の一品なのだろうが……。 「ああ、分かるよ。あれ、水を取り替えなくていい花瓶型の魔道具じゃないか?」  そう言って、飾ってある一つの黒い花瓶を指差す。 「え、ええ……。正確には花の生命力を保ち続ける『不朽の器』という物ですが……」  俺の言葉に驚きながらその花器の説明をしてくれるファーと呼ばれていた少女。  うん? あれ、そんな大層な代物だったのか?
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