1.出会い

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「じゃ、奥の席、 原口の隣に座って。」 と、言われた充は一番前の僕をスルーして、 歩いていき、 奥手の席に静かに座った。 ここからは、しばし、普通の時間が過ぎていった‥。 そして、一限が終わり、 もしかしたら、縋りたかったのかも知れないが、 どうしても、充の目つきの意味が気になって、 話掛けようと、近づいて行ってしまった、 その時、 「おい!アキオちゃん、ちょっと‥!」 他クラスから、 イジメグループが僕の後方に勢ぞろいしていた…。 きっと、嶋田が呼んだのだろう。 「よぉ…どいつだよ、転校生‥。」 と、ボス格の羽生勇次がいつもより余分に凄む。 その両脇には、田中槙人と新川隆もいる。 田中と新川は、 羽生と居れば、ただの腰巾着にしか見えないが、 それぞれ、自分達の派閥を持っている プチ番長で、 羽生は、そんな2人をも纏めている。 しかし、これだけの勢揃いで来ておきながら、 この時は顔見せ程度だったのか、 それとも、牽制したのか、 羽生達も、充も、お互いを刺激することは無かった。 ただ、この後、 僕だけは充に神経を逆なでられる… その後、休み時間毎の一部始終を見てた充は、 今日も、もう終わろうかといった頃、 僕の横をすれ違いざまに、冷たい目付きで、 こう言った…。 「君… イジメられてんだ!?」
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