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タンッと窓辺から降りて、
ご主人様を呼ぶ。
「みゃあ。」
「…あぁ、ごめんな。るな、ご飯だったな。」
辛いなら無理しなくていいのに。
それでもご主人様は気丈に笑う。
「…月は好きなんだ。本当さ、るな。
だけど、月は哀しい事も思い出すよ。
月子を思い出してしまうんだ。
…忘れられないんだ。」
そう言って再び窓辺にむかう。
月ってあのまあるい光の事かな?
月子さんて誰なのかな?
…きっとご主人様の大切な人だね。
「…月子と君はよく似ているよ、るな。
月子もるなのように、窓辺からよく満月を見ていたよ。
あのお月さま、ハチミツ色だねって…
月子の笑顔は綺麗だった。
満月よりもずっとずっと輝いていたんだ…。」
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