幸せの最果て

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「…可愛い薫子を… 忘れるはずがないじゃないか…。」 そう言ったが、この時の私の目に写っていたのは薫子であって薫子ではなかった。 「…薫子は嬉しゅうございます。」 長く艶のある黒髪を綺麗に結って、 ほっそりと白い首やその肌は色香を漂わせている。 華奢な体だが、丸みを帯びて女性の線が出来てきた薫子。 まだあどけなさの残るその表情だけが、私を現実に引き戻した。 「…けれどもおじ様ったら、薫子にちっとも会いにきてくださらないんですもの。」 「…あぁ、すまなかったよ薫子。 ここ数年私も色々忙しくてね。」 私が薫子と会ったのは、もう何年前の事になるだろうか…?
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