一章

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春の空のした 僕は力助と魚取りに出ていた… 晴れ渡る川には一列に石柱がたっている。旧文明学者によると橋の残骸らしい 「そっちに行ったぞ」 「おう!」 網を広げて徐々に鮎(アユ)を追い詰めていく そして網の包囲を徐々に狭めていき…とうとう鮎を引き上げる。 20匹程の鮎が網の上で跳ねている。 「やったぁ」 「よしっ」 この不運にも捕まってしまった鮎達は今晩のおかずになるだろう 僕たちは砂利道を歩き出し魚を網ごと家に持ち帰る 川の周りには桜の木が美しく咲いているのがまぶしい 「今日は沢山取れたな」 隣から話かけてくるのは力助(りきすけ)だ。 力助は幼なじみだ 身長も体重も僕より二周りぐらい大きい 20匹程の鮎の入った鮎を片手で持ち上げて「いやぁ力助のおかげだよ」 「そんなことはないさ裕一の最後の一振りがうまかったからほとんど鮎を逃がさないで済んだな」
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