乱闘

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武田は大柄なサリナと対峙していた。 気の強い武田は女子など一気に蹴散らす気でいた。 しかし、茶髪ギャルのサリナはクミぐらいの体格をしていた。 彼女の腕を見た時、武田の動きが止まった。 彼女の、力こぶの盛り上がりに圧倒されてしまったからだ。 肩も凄い。 フトモモも太い。 胸など制服が破裂しそうだ。 体格では完全に武田を圧倒していた。 だが、武田は男だから、いくらサリナの体格がよくとも、負ける要素は皆無と思っていた。 しかし、サリナが一歩前に出ると、武田は知らずに後退してしまった。 「逃げんなよ」 サリナの言葉に武田は我に返り、ムッとして一歩前に出た。 その瞬間、サリナの凄い迫力の蹴りが飛んできた。武田は吹き飛びそうになった。 武田は混乱した。 な、何故、女子の蹴りがこんな迫力あるの? 川田はアキナと掴み合いになっていた。 最初、気の弱い川田は例え女子相手でも、喧嘩なんかできなかった。 喧嘩になった時も内心辛かった。 だが、目の前にアキナが来た時、これなら大丈夫だと安心した。 だがアキナは凄まじい勢いで襲い掛かってきた。 タラタラした感じのいつものアキナではなく、猛禽類のように攻撃してきた。 川田は慌てて応戦、つかみ合いになった。 川田が彼女の服を掴むと狂ったように暴れて、膝蹴りや前蹴りを、川田の腹や脚に打ち込んできた。 堪らず手を離すと、アキナは大振りのビンタを雨の用に降らしてきた。 川田はかわしきれずに顔や頭に何発かもらってしまった。 すっかり圧倒された川田は両手を前に出しつつ後退した。 二谷とリサも、つかみ合いになっていたが、リサは二谷の腹に蹴りを入れて怯ませると、何故かクミと真中の喧嘩の方に行ってしまった。 金髪ギャルのエリナとミカは腕を組んで喧嘩には参加せず、薄ら笑いを浮かべながら乱戦を見物していた。 真中と小林と井上が股間を蹴られ、悶絶してしまった。 武田と二谷と川田は絶句した。 最初何が起こったのか理解できなかった。 エリナとミカが腕組みしたまま前に出てきた。 足元には真中がうずくまっている。 アユとサリナが悶絶している小林を連れて来て、真中のそばに転がした。 ユキナ達も井上を連れて来て転がした。
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