言い争い

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「ぉ前らぁ待ぁてよぉ」 と鋭い声が浴びせられた。 その声は案外ドスが効いていて思わずドキッとしてしまった。 声の主は金髪ギャルのミカだ。 彼女は173センチと長身でナイスバディだが、普段から態度が悪い。 アキナも 「男のクセに女に言い負かされて逃げんのぉ?」と笑い転げた。 さすがの男子達も彼女達の言葉にだんだん腹が立ってきた。 真中はいきなり振り向くと 「いい加減にしないと殴るぞ」 と静かに大人っぽく、女子達に言った。 隣にいた武田も頷いた。 男の威厳が十分に醸し出された声のトーン、言い方だった。 女子も静かになるだろう。 しかし、何人かの女子がケタケタと笑い、女子のリーダー各の金髪ギャルのエリナが、真中より低い声で 「ぁ?ゥチらと喧嘩する勇気なんて、ぉ前らぁんの?」 と言った。 真中よりも迫力があった。 ミカも 「じゃ、やってみろゃ。殴っててみろよぉ。 そんな根性なぃだろぅ。貧弱男子がぁよぉ」 と言ってきた。 それにカチンときた武田が 「女子には手出さんと思ったら大違いだぞ!いい加減にしないと泣く事になるぞ!」 と怒鳴った。 武田は凄みを効かしたつもりだったので、これで女子達もビビって、おとなしくなるだろうと思った。 しかし、それに対しアキナが 「ぁは?そんなことぉ、できんのぉ?ぉ前らにぃ。バァカ、ぉ前こそ逆に泣かすぞ!」 と鼻で笑った。 ユキナも 「今時のヘタれ男子なんか屁でもねぇっての」 と言い、他の女子達もキャッキャと笑いながら 「バァカァ。泣かしてみろやぁ」 「早くぅ。来てよぉ。たっぷり泣かしてぁげるからぁ」 と挑発してきた。 カッとなった武田は思わず手を出してしまった。 軽くではあるが、アキナの肩を突いてしまった。
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