負けたくない

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「あぁ~~・・・。今日も負けちまった。」 宮崎が肩をまわしながら言う。 「いつものことっすよ。」 原西がそれに答える。 そのとき赤西の歩みが止まる。こぶしを握り締め、赤西は言葉を部員達にぶつける。 「あんた達、負けて悔しくないの?」 部員達が振り返る。赤西はそのまま言葉を発する。 「私は悔しいよ・・・。去年は負けることなんて知らなかった。いつもいつも勝ってた。それが当たり前だった。 なのに・・・今年は負けることが当たり前なの!?私は勝つことが当たり前にしたいのよ!!いつもいつもあんた達に勝てるって自信を持って胸を張ってほしい!負けるのが普通なんていう自信は持ってほしくないの!!」 赤西の瞳に涙がうかぶ。そして赤西は呼吸を整えた。 「私達は絶対甲子園に行くんです。」 弱小野球部が変わろうとする瞬間だった。
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