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あと少し、あと少しで公園が見える。
あそこを突っ切れば、マンションにたどり着く。
怖い、自分の足音に被って、静かな住宅街の道に、別な足音が追ってくる。
バスを降り、大通りから外れた道に入ってから気付いた。
初めは気のせいかと思ったが、立ち止まると少し遅れて足音が止む。
瞬間、足早に家路を急いだ。
大きな公園の向こう側に、碧(あお)の住むワンルームマンションがある。
『あと少し』
自分を励ます様に足を運ぶ。
公園は照明が明るく中央に噴水がある。
そこを回り込んで突っ切れば近道なのだ。
街灯だけの夜道の向こうに、公園が明るく浮かび上がって見えてきた時、碧(あお)はホッと息をはき入り口へ急いだ。
公園の階段を駆け降りて行き、低い位置にある広場の噴水の前に、一人の男が居ることに碧は気付いた。
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