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「これより、武士の作法に乗っ取り、山
南敬助総長 切腹の義、 とりおこなうこ
ととする」
局長 近藤勇の抑えた声が、響(どよ)めく屯所内で、全ての隊士のざわめきを止めた。
全ての部屋の襖は取り払われ、最前列に近藤勇、伊東甲子太郎、その後ろに藤堂平助、永倉新八、原田左之助ら各隊、隊長らがいならび、その後ろに平隊士達が整然と控えている。
山南敬助の部屋に向かって。
切腹の間は山南敬助総長自室、背に逆さ屏風をはいし、白絹を二畳程にひきつめその時を待っていた。
スッと静かに姿を現した山南に、一堂の視線が集まる。
山南は静かに一堂に向かって一礼し着座、向かいに控える見分役 土方歳三に一礼すると、両脇に控える介錯補佐役、井上源三郎と斉藤一へ一礼して行く。
山南は背筋をのばしその時を待つ様に、静かに目蓋を閉じた。
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