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「君は……………」
驚いて放心状態の万里子。どことなく面影はあるが、人が一日足らずでこんなに変わるなんて、あまりにもおかしい。
「あの………蒼谷透…さんですか?」
そうだけど。と応えた彼に確かめる様に、ある事を尋ねた。
「今は、2007年3月○日ですよね!」
何を言っているんだ。と言う様な顔で、今は[2017年3月○日]だよ。と返事が返って来た。
その言葉を聞いて、緊張の糸が切れたように、その場に座り込んでしまった。
此処には自分の知っている人は、誰ひとりいないのだと考えただけで涙が溢れてきた。
「あぁ~パパがおねぇちゃんなかしたー」
成人した蒼谷の横で、二人の会話を聞いていた、少女が蒼谷を非難する。
自分が泣かせたと右往左往する蒼谷と、頬を膨らませ自分より背の高い相手に突っ掛かる少女を見て笑みを漏らす。
二人を見ていたら、不安な気持ちが薄れ不思議と元気が出てきた。
こんな所で落ち込んでいる場合じゃない。何とかして帰る方法を探さないと。
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