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玄関先で、帰り方や此処までの状況整理を、ブツブツと考えていたら、取り敢えずあがって、とリビングに通された。
この時代でも、蒼谷と交流があるのか不安だが、自己紹介は必須かなと自分の名前と、此処に来た理由を話し始めた。
すると、蒼谷が自分の持っている画集に興味が湧いたらしく、見せてほしいと言われた。
興味が湧く所はそこ!と心の中でツッコミつつ、自分の話しを信じてくれるのか聞いてみた。
万里子が嘘をついている様には見えないし、自分を騙しても何の得にもならないと、勝手に判断して信じる事にしたと。
ついでにと付け加え、君は嘘が顔に出るタイプでしょと見抜かれた。
16歳の蒼谷にも言われた事を、10年後の蒼谷にも言われて、嬉しいやら哀しいやら複雑な気持ちの万里子だった。
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