衝撃的な事実

2/4
前へ
/32ページ
次へ
睡眠を十分に取った為か、清々しい気分で朝を迎えた。 身仕度を整え、お詫びにと先日蒼谷が欲しがっていた、私の作品画集を手に取る。 恥ずかしいけれど、それ相応の事をしたのだと自覚しなければ。 階下に降り、留守電を聞く。何時もの事。朝の日課になってしまっている。 父が社長 母が秘書 会社が軌道に乗り始めてから、二人は殆どと言っていい程、家に居ることは無い。 たまに帰ったと思ったら、着替えを取りに来る程度。三人揃って食事をしたのは、何時の事かもう思い出せない。 そんな喪失感を埋めようと、絵に没頭した。 元々才能があった様で、見る間に上達し、賞を貰える腕前になった。 「蒼谷……喜んでくれるかな!」 考えるだけで笑顔になる。 現在AM8:00 そろそろ出掛ける時間だ。玄関で靴に履き変え、振り返り行ってきます、と空間に挨拶をして家を出た。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加