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睡眠を十分に取った為か、清々しい気分で朝を迎えた。
身仕度を整え、お詫びにと先日蒼谷が欲しがっていた、私の作品画集を手に取る。
恥ずかしいけれど、それ相応の事をしたのだと自覚しなければ。
階下に降り、留守電を聞く。何時もの事。朝の日課になってしまっている。
父が社長
母が秘書
会社が軌道に乗り始めてから、二人は殆どと言っていい程、家に居ることは無い。
たまに帰ったと思ったら、着替えを取りに来る程度。三人揃って食事をしたのは、何時の事かもう思い出せない。
そんな喪失感を埋めようと、絵に没頭した。
元々才能があった様で、見る間に上達し、賞を貰える腕前になった。
「蒼谷……喜んでくれるかな!」
考えるだけで笑顔になる。
現在AM8:00
そろそろ出掛ける時間だ。玄関で靴に履き変え、振り返り行ってきます、と空間に挨拶をして家を出た。
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