23/30
前へ
/318ページ
次へ
亜紀は紙切れを開いた。 それは、野村からの亜紀への手紙だった。 【亜紀ちゃんへ。 突然手紙なんて、ごめんね。メールも出来るんだけど、なんとなく、手紙にしました。 亜紀ちゃんが今から何をしようとしてるのか、詳しくはわからないけど、なんだかとても嫌な予感がするんだ。 こんな時に病室で寝ている事しか出来ないなんて、本当に最悪だよ。 いきなりだけど、俺は、亜紀ちゃんが好きです。 だから守りたいし、支えたい。助けたい。 俺が、亜紀ちゃんを助けに行く。 俺が退院したら、亜紀ちゃんに正式に告白するから、少し待っててください。 必ず亜紀ちゃんを守るから。】 亜紀「これ…」 南「野村はそれを書いて、外に出ようとしたんだと思う…」 亜紀「…あたしのせいだ…」 南「…亜紀」 亜紀「あたしのっ…あたしのせいでっ…野村…く…うっ…うあぁぁぁん…」 亜紀は泣き崩れた。 目覚める気配の無い野村を抱きしめながら、亜紀は枯れる程泣いた。 南は、ただその光景を見守る事しか出来なかった。
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1018人が本棚に入れています
本棚に追加