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島津悠一(しまづゆういち)。
彼が葵七海(あおいななみ)に会ったのは、中学生の頃だった。
ガキ大将気質でどちらかといえば不真面目、大雑把、運動神経だけが取り柄の悠一。
糊ののった綺麗な夏服のカッターシャツ、どちらかといえば優等生の葵。
そんな二人が、まさか親友だなんて誰が信じるだろうか。
「おーい、七海!!オレ部活行くけど、見学くるかー?」
高2の夏の日。
いそいそと机の上にあった教材を鞄に入れて、悠一は葵の側に来て言った。
「七海って呼ぶなっつったろ!!あほ。」
葵は口が悪かった。身長も悠一より少し高い。
だが、とても整った顔立ち。おまけに少し栗色の髪色にこれまた少しパーマのかかったショートヘア。
と、くれば女子にモテない筈がなく。
彼はよく告白されていた。
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