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「……退屈だ」
退屈に押し潰されそうになった僕は、少しでも気持ちを和らげるため部屋を飛び出した。
夜の街は様々な色のネオンに包まれている。僕には全てが適当に付けられた飾りの様に見える。
しばらく歩いていると、ポストの前に膝を抱えて座っている少女を見つけた。
こんな夜に少女が一人で座っている。違和感を感じた。僕は思わず声をかける。
「どうしたの?」
「退屈なんだ」
「君も退屈なのか。実は、僕も退屈だったから、部屋を飛び出してきたんだ」
「ふうん」少女は息を吹きかけるように言う。
「このまま立っているのも退屈だから、君の隣に座っていいかい?」僕は、少女の右隣に指を差す。
「別にいいよ。そこは私の場所じゃないから」
僕は少女の隣に座った。
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